世界中が目に見えない小さなウイルスに恐れおののいている「ウィズコロナ時代」。日本での新型コロナウイルスの被害は欧米諸国のように大きくないものの、コロナ報道は続いていますよね。
しかしテレビのコメンテーターの言うことやネットの情報がバラバラなため、コロナのことを知ろうとすればするほど、よくわからなくなってきたという人も少なくないでしょう。
実は新型コロナウイルスに関しての意見は、学者間でもかなり割れているのが現状なのです。おまけに専門家でない人もテレビでコメントしているので、意見がまとまらないのは当然かもしれません。
そこで今回は、コロナウイルスを15年以上研究している水谷哲也さんの著書「新型コロナウイルス:脅威を制する正しい知識」をご紹介します。水谷先生のことは、京大・ウイルス研究者である宮沢孝幸さんのツイートで知りました。
・ウイルス研究33年 実験大好きな研究者
・東京生まれの関西育ちでキャラ濃いめ
・東大卒(東大初の飛び級で卒業)
・イギリスの大学、国内の大学で研究
・英語で200報以上の論文発表
・現在は京大でウイルス研究
・京大医学部の授業なども担当
・感染症と公衆衛生学にも精通
・大の猫好きで愛猫家
・愛称はにゃんこ先生(たまに猫化)
・趣味はピアノを弾くこと
・大阪府のコロナ専門家会議に参加
・Twitter @takavet1で最新情報配信中
・もっと詳しいプロフィールはコチラ
水谷先生は、にゃんこ先生が信頼してるガチ研究者さんにゃ~。
研究者のことは研究者に聞くのが一番だと思うよ。誰が正しいことを言っているのか、ボクたちにはサッパリわからないからねー。
水谷哲也さんはコロナウイルス研究者
まずは水谷哲也さんのプロフィールを見ていきましょう。
新型コロナウイルスに関する最新情報は、東京農工大学の公式Twitterで水谷先生が配信しているので、@vaTCFJOUy5yDG0i をフォローしておくことをオススメします。
この「新型コロナウイルス:脅威を制する正しい知識」は2020年5月に発売された本ですが、発売当初はAmazonなど主要なネット通販では売り切れ続出で大人気でした。
私はどうしてもすぐに手に入れたかったので、聞いたこともない小さなネット書店で見つけて注文して読みました。送料別だったのでちょっと痛かったですが(笑)、知りたかった答えがいくつかわかってスッキリしたので、読んで良かったです。
ただし半分くらいは、専門用語がガンガン出てくる内容なので、専門知識のない一般人には理解できない部分が多いと思います。この分野を専攻している大学生や研究者の方にとっては楽しい部分なのでしょうけど、とにかく難しく感じました。
普段あまり働かせることのない頭をフル回転させて読んだのでとても疲れましたが、それだけの価値はありました。
これをスラスラ読める人たちって、宇宙人みたいにゃ~。
「新型コロナウイルス」の目次
公開されている目次は次のとおりです。第2章「やさしいコロナウイルスのウイルス学」は、専門用語が多いせいか私には難易度が高いものでした。
第1章:新型コロナウイルスの感染拡大
第2章:やさしいコロナウイルスのウイルス学
第3章:新型コロナウイルスの変異と進化
第4章:SARSとMERSから新型コロナウイルスの真実を探る
第5章:新型コロナウイルスの検査
第6章:新型コロナウイルスをくい止める―防疫と免疫
第7章:ワクチン開発
第8章:治療薬の開発
第9章:新型コロナウイルスと経済活動
第10章:脅威を繰返さないために新型コロナウイルスから学ぶこと
ワクチンや治療薬のことも気になるけど、経済が止まっちゃうのは怖いにゃ。みんな困るにゃ~。
これはみんなで考えなきゃいけない問題だよねー。
正しく怖がるための知識
水谷先生は、この本の目的を次のように述べています。
「正しく怖がれ」という言葉も浸透しました。これはいうまでもなく「正しい知識をもとに、怖がる場面と怖がる必要のない場面を理解した行動をとり、自分も他人も感染しないようにしよう」ということです。
(中略)そこで、この新型コロナウイルスを正しく怖がるために、コロナウイルスとは何なのかという原点に返って理解していただくことを目的として本書を書き上げました。
水谷哲也著「新型コロナウイルス」より
「正しく怖がる」って、実はすごくハードルが高いんですよね。ムダなく怖がるためには、コロナの正体をきちんと知らなければなりませんから。そのために私たちはまず、どこから情報を得るのが正しいかを判断しなければならないのです。
誰の言うことを信じればいいの?
iPS細胞でノーベル賞を受賞した山中先生も、「コロナウイルスの研究者による著書」としてこの本を紹介していたよー。
山中先生の言うことなら信じられるかにゃ?
それはボクにはわかんない。誰の言うことを信じるかは、自分で決めることだから。
そんにゃ~。
コロナウイルス研究者の夢
水谷先生とコロナウイルスの関わりがわかる部分を見ていきます。
筆者は学生のころにマウスのコロナウイルスを研究し始め、SARSコロナウイルス、ブタやウシのコロナウイルスなどを十五年以上研究してきました。
水谷哲也著「新型コロナウイルス」より
なんと学生の頃からコロナウイルスを研究されていたんですね。コロナと水谷先生は、すでに15年以上の長いお付き合いがあるわけです。
私たちは新型コロナウイルスのことを「コロナ」と呼ぶことが多いですが、実はコロナウイルス自体は昔からあり、今回のウイルスは「新型の」コロナウイルスだということも意識しておく必要があるでしょう。
コロナとの付き合いが長い水谷先生が、夢を語っている部分があります。
専門はウイルス学。ウイルスを撲滅するために日々研究に没頭中。夢はすべてのウイルスを撲滅させるような薬を開発すること。
水谷哲也著「新型コロナウイルス」より
…ちょっと目頭が熱くなってしまいました。個人的には「日々研究に没頭中」という部分がグッときます。地道な研究のおかげで人類が疫病から守られてきたこと…平和な世の中だと忘れてしまいがちなので、改めて感謝したいです。
研究者ってあんまり表に出てこないからつい忘れちゃうけど、実はみんなを守ってるんだにゃ~。
PCR検査の仕組み
この本では、ワイドショーでおなじみのPCR検査など、新型コロナウイルスの検査法についても説明しています。
私たちは新型コロナウイルスの検査にPCRが使われていることを知りました。PCRとはいったいどのような検査なのか、この検査で何がわかるのか、について詳しく解説しました。
水谷哲也著「新型コロナウイルス」より
PCR検査など新型コロナウイルスの検査法については、その仕組みから新しい検査法まで丁寧に説明してくれています。この部分をしっかり読んでおけば、マスコミの論調に左右されることなく冷静に対応できる知識がつきそうです。
テレビでもネットでもコロナ情報は見られるのに、どうしてわざわざ本を買って読む人がいるにゃ?
テレビやネットで話している人が本当の専門家とは限らないからね。視聴者はコメンテーターが「今までどんな研究をしてきた人か」なんてあまり気にしないんじゃないかなー。
にゃるほどー。「専門家」って言われたら、どんな人かなんて気にしないにゃー。
コロナの情報は人によっても言うことがかなり違うよね。だから深く知りたい人は、自分から積極的に情報を取りに行くんだと思うよー。
次の「新型コロナ超入門」は一般向け
2020年10月9日に出版される「新型コロナ超入門:次波を乗り切る正しい知識」は、タイトルに超入門と入っていますので、一般向けにやさしく書かれているのでしょう。
公開されている目次は次のとおりです。動物と暮らしていると、ペットへのコロナ感染リスクは気になりますので、専門家から学べるのはありがたいですよね。
第1章:私たちの生活と新型コロナウイルス
第2章:新型コロナウイルスの変異を正確に把握して次波に備える
第3章:無症状感染者の特徴を理解することが重要
第4章:ペットへの感染をくい止めろ~獣医から見た新型コロナウイルス~
第5章:未知のウイルスを発見する方法を体験する
第6章:新型コロナウイルスが細胞に感染するまで
第7章:新型コロナウイルスはどうやって増えるのか
第8章:新型コロナウイルスの検査法をしっかり頭にたたきこむ
第9章:次の波を乗り切るために
次の波やだにゃ。怖いにゃ~。
怖がらずに知識を身につけようね。正しい知識が周りも自分も守ることになるんだよー。
まとめ
今回は、コロナウイルス研究者である水谷哲也さんの著書「新型コロナウイルス:脅威を制する正しい知識」をご紹介しました。
どんな内容だったか、サラッとふり返ってみましょう。
新型コロナウイルスに関するさまざまな情報が飛び交う中、私たちは「どの情報を信じればいいのか」という厄介な問題に悩まされるようになりました。
「これが絶対に正しい」という確実なコロナ情報はなかなか出てきませんが、コロナウイルスを長く研究している水谷先生の著書であれば、信頼度は高いといえるのではないでしょうか。
コロナに負けない知識をつけて、一刻も早く日常を取り戻したいものですよね。
ワタシはもうコロナ飽きたにゃ~。友だちとご飯行くにゃ~!
もうピリピリには疲れたよねー。
水谷哲也(著)「新型コロナウイルス 脅威を制する正しい知識」東京化学同人
水谷哲也さんの意外すぎる趣味と素顔については、こちらの記事をご覧ください。きっと水谷先生のイメージが変わること間違いなしです。